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ので、今回は既存航路の廃止についてのみ提案された。WGA及びプレナリーにおいては、特段の議論なく了承された。

 

? 沿岸通航帯の限界(英提案NAV42/4/6)
今回の英提案は、従来から沿岸通航帯の限界が明示されていないことから、パートA航路指定の一般通則における沿岸通航帯の限界の記述等を修正しようとするもので、WGAにおいて、修正案が芸より提出され特段の議論なく了承された。プレナリーにおいても承認された。

 

? ペントランド及びフィーズにおける通航に関する勧告の改正(英提案NAV42/4/7)
今回の英提案は、1993年1月のブレアー号の海難の後、同海域における種々の航路指定及び船位通報がIMOの議論を経て勧告されているが、その関連として、同海域における潮流に対する注意喚起が積載油タンカーに対してのみであるため、適用を拡大して全船舶に対して行おうとするものである。
WGAにおいては、従来の積載タンカーに対する注意喚起の記述がなくなることからINTERTANKOが反対したほか、特段の議論なく了承された。プレナリーにおいても承認された。

 

(2) VTSと船舶通報(議題5関連)
? グレートベルト海峡における船舶通報制度の強制化(デンマーク提案NAV42/5)
今回のデンマーク提案は、バルト海から北海への通行路となっているグレートベルト海峡において、橋梁の建設が進んでおり、同海域中央部に位置する橋脚を挟んだ形で既設の西橋(西海峡)と建設予定の東橋(東海峡)があり、今後、東橋建設に伴い、通航船舶の桁下空間の確保等の安全対策を図るため、船舶通報制度を強制化しようとするものである。
WGAにおいて、国際海峡でない西側海峡については船舶通報制度が既に強制化されている等の補足説明があったところ、通報方法をVHFに限定しているが、対象船舶(50GT又はマスト高15メートル以上の船舶)が小さすぎることからVHFの搭載義務のない船舶も対象となっているまた強制化の必要性に関する説明が必要(米)、マンデトリーにする理由が不十分である(ロシア)等のコメントがあり、デンマークから東海峡における最近の海難発生状況、航路航行違反船の状況等を説明し、最終的にロシアが立場を留保したほか、デンマーク提案を一部修正の上MSC決議案として取りまとめがなされた。プレナリーにおいては、特段の議論なく決議案が承認された。

 

? ジブラルタル海峡及びフィニステレにおける分離通航方式のための強制的な船舶通報制度(スペイン提案NAV42/5/1及びNAV42/5/2)
WGAにおいて、提案説明がスペインによりなされたところ、事前にスペインより協議がなかった(英)、強制化の必要性に関する説明が必要(米)、現行の任意の制度で十分でありまた現在検討中のVTSガイドライン等の改正を待って設定すべき(ロシア)等のコメントがあり、これに対して、スペインから当該海域における船舶通航量、海難発生状況等に関する補足説明あり、最終的にロシアが立場を留保したほか、スペイン提案を一部修正の上MSC決議案として取りまとめがなされた。プレナリーにおいては、特段の議論なく決議案が承認された。

 

 

 

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